PS Vita mk2 - PS Vita の参加型レビューサイト

GOOD!

　グラシュ(特殊な靴)を履くことで空を飛べる世界でFC(フライングサーカス)というスポーツが存在しました。主人公はかつてそのFCの選手であったがとある事情で空を飛ぶことすら避けていた。しかし、ある少女との出会いから指導者としてまたFCに関わることになり、その中で自分の過去と向き合ったり女の子と親しくなっていくという話です。　
　前述のFCが話の中心です。空を飛ぶ架空の1対1のスポーツでありながらルールがよく考えられており駆け引きや熱さが伝わってきます。絵や演出を巧みに使うことで静止画でありながら盛り上がる内容となっています。FCもですが全体の設定が練られている印象を受けました。
　BGMは場面場面に合ったもので、対戦時やしんみりしたとき、挿入歌やOPは特に印象に残りました。
　絵も可愛く安定感があり、一枚絵も差分が多くデフォルメのかわいらしい絵柄も挟むことで量もバランスも良いです。
　キャラクターが多く、そして魅力的です。男性陣も女性陣も様々な魅力があり声優の演技もそれに合うものでした。
　共通ルートはやや長めですがその分話の下地がちゃんとできた上で個別ルートに展開してるので問題は少ないかと思います。

BAD/REQUEST

　キャラが多い分攻略対象が4人と少ない、サブでもいいからマネージャーやライバルを攻略したい人は多いと思う。また、キャラが多い分出番が少なすぎたキャラもいた。　
　FCがまだ歴史が長いスポーツではないことを活かした話の展開をしているが、強引なところもある。さすがにトーナメントにシードがなかったりはどうかと。
　少年漫画のような展開、スポコン要素があるので恋愛要素などが好きな人には好みが分かれるかも(もちろん恋愛要素自体は普通にあります)。
　ルート毎に特色がある分攻略順によって印象が変わる点。悪いとは言いきれませんが一応。
　作品のテーマとはいえ主人公がめっちゃ過去に囚われています。全ルートをこなせばまた印象が変わると思いますが受け取り方に個人差が出そうなところがあります。
　設定が練られているがたまに粗もある。反重力が触れ合うと反発するはずなのに怪しい場面があったり。
　音楽を個別に聞けるモードがない。グラシュや食べ物、作品内の「物」のCGを見れない(もちろんヒロイン等の一枚絵は見れます)。
　立ち絵がやや少ない。
　一部伏線回収のわかりづらさ。よーく見ないと全てを理解できないところがあった(これも一概に悪いとは言えませんが)。
　
※ここからネタバレは避けますが各ルートの特徴に触れ、内容を仄めかしてたりするのでご注意を、内容は悪いところだけを挙げてるわけじゃありません(むしろ少ないです)

明日香ルート:スポーツの正の部分(才能や楽しさ)を前面に出した内容。ヒロインも一番主人公に惹かれていたこともあり甘くも王道な盛り上がりを見せるルートです。スケールがでかい話で主人公の過去にも深く関わるルートなので、一番入りやすいルートでありながらこのルートに入る順番でこの作品全体の印象が変わるほどの影響があると思います。
みさきルート:スポーツの負の部分(挫折や悔しさ)を前面に出した内容。明日香ルートとは対と言える内容。これもまた主人公の過去に深く関わり、熱いルートです。
真白ルート:主人公の過去には浅く、恋愛中心のルートです。熱さが他のルートほどではないですがこれもまた青春スポーツものと言える内容です。
莉佳ルート:唯一の他校、またほぼ恋愛中心ルート(真白ルートもですがFC要素がなくなってるわけじゃありません)。またこのルートにおけるライバルも特徴的。個人的にはなんか他のルートと雰囲気が違い過ぎた印象。ライバルの過去が被ってる(とある誰かたちと)。
莉佳→(or)真白→みさき→明日香の順番で行うのが個人的にはお勧め、自分はこの順番で行い終わった後非常に満足感がありました。

COMMENT

恋愛にスポコン要素を上手く組み込んだ作品だと思います。架空のスポーツだからできる設定の活かし方もあり終わった後に充実感が湧き上がるような内容でした。プレイ時間はたぶん30時間ぐらいで終わりますが複雑なルート分岐もないので飽きずに熱中してやりやすいかと。ただ攻略順で作品全体の感じ方が大きく変わりそうなのでそこはなんとも言えない点。私はBADの最後で触れた順で攻略しましたが感想サイトの推奨を参考にしました(結果大満足でしたが)。