いけにえと雪のセツナ レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016/02/18 |
価格 | 5,184(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 |
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花朧 ~戦国伝乱奇~
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オーディンスフィア レイヴスラシル
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バレットガールズ2
GOOD!
・音楽が素晴らしい
東京ゲームショウでこのゲームのPVを見た時、真っ先に惹かれたのは切なく美しいピアノの旋律でした。
ゲームの静かな雰囲気にあっていてとてもいいと思います。
最初から最後までほぼピアノオンリー(あってもパーカッション程度)という潔さがスゴイです。
・王道なストーリーとキャラ
王道を謳いながら変にひねくり回しておかしなことになっているRPGをいくつか知っているので、本作のような直球勝負なのは気持ちいいです。
派手なムービーが入るわけでもなく、登場人物が声つきでうるさくしゃべりまくるわけでもない。
キャラに好感度が設定されていて、絆ポイントが云々……という煩わしい要素もない。
良い意味で無駄がなく、メインストーリーに集中できるのはとても良かった。
エンディングは賛否両論あるとは思いますが、私は嫌いじゃないなあと思いました。
メインキャラクターはどの人物も影を抱えているけれども、それぞれひたむきで一生懸命で良いキャラばかりです。
私は最強法石イベントを全て見たのですが、これで各キャラへの思い入れがいっそう強まりました。
・雪の表現が素晴らしい
走ると単純に足跡ではなくて、身体の周りがへこむんですよね。バトルでも敵が滑ったあとがちゃんと地面に残る。
木の近くを通るとガサガサっと積もった雪が落ちてくる。
足音も、雪と靴がこすれあう独特の音がするんですよ。
雪をめぐる表現は本当に素晴らしいです。
・武器のデザインが全部違う
バトル画面だと残念ながらちょっと遠くて見えづらいのですが、武器つけかえ画面だとちゃんと詳細を見ることができます。
こんなところまで作りこんでるのか!とびっくりしました。
・歯ごたえのあるバトル
久々に何回も全滅するゲームでした。
初見殺しのボスもですが、ザコ敵も自爆したりステータス異常にしてきたり、なかなか嫌な攻撃をしてきます。
最初のうちは適当に戦っていてもなんとかなりますが、中盤からちゃんと法石の効果を考えて装備しないときつくなってきます。
ちょっと調整しただけで劇的にバトルの快適さが改善するので、なかなか楽しかったです。
また、倒し方の種類によって敵がドロップするアイテムに違いが出てくるのも新鮮に感じました。
種類をたくさん落としてくれるとよし!!ってテンションもあがります(笑)。
BAD/REQUEST
・文字が小さすぎて見づらい
キャンプメニューや台詞に使われている文字がものすごく小さくて初めて見た時にびっくりしました。
PS4版に合わせているためでしょうか?
・使い勝手の悪いキャンプメニュー
情報はたくさん集められているし、よく読めばできることもたくさんあるとわかるのですが、それら同士の連携がとれていないこと、また情報の見せ方を整理しきれていないこともあって、使っていて煩雑な印象を受けます。
以下、主に気になった点です。
【雪世界の記憶】
設定資料のようなものなのですが、基本的にだらだら長い文章で書いてあるため、前述のとおり文字の小ささともあいまってとても読みづらいです。
例えば、敵が落とすものはモンスターのところに延々解説文が続いたあとで一番最後に「○○を落とす」とある。
結構興味深い設定や面白いことを書いてあるのですがこれでは読む気が削られるばかりです。
せめて箇条書きにできるところだけでもしてくれればかなり違ったと思うのですが……。
【法石付け替え画面】
法石購入画面では同じ法石を複数持っていた場合個数が表示されるのに、法石付け替え画面では3つ持っていたら律儀に3つ同じ名前が並ぶ。
ただでさえ法石は大量に種類がある上に、さらに一覧を縦に長くする要因となってしまうため、検索性が非常に悪い。
【法石付け替え画面と連携技一覧画面】
法石付け替え画面では連携技の名前と連携するメンバーは確認できるものの、どの技同士を組み合わせれば可能なのかまではわからない。
詳細は連携一覧画面にありますが、そこで確認後に法石選択画面に再度切り替えて、膨大な数の法石一覧から該当のものを見つけねばならない。
・使い勝手の悪い売り買いの画面
キャンプメニューと大体悪い点が共通しています。
そこで一緒にこのデータを表示しておいてくれればかなり楽なのに、ということが多かったです。
例えば、装備品を買ったらそのまま装備画面にいくことができません。
その上、いま装備しているのか、所持しているのかどうかもわからない。
いちいちキャンプメニューから装備画面を呼ばなくてはなりません。
・ワールドマップがない
まさか飛空艇を手に入れてもマップが得られないとは……。
どこの地域も雪がつもっていて印象が似たり寄ったりなので、空から見ても特定の箇所が探しにくい。
マップがないと別の地域に入っても今ひとつ遠くに来たという実感が得にくいんですよね。
・フィールドを移動する速度が遅すぎる
町中やダンジョン内であればいいのですが、フィールド上はもうちょっと早く歩くことはできなかったのでしょうか。
・セーブできる機会が限定的
セーブの機会がセーブポイントかフィールド上に限られてしまっています。
終盤になるとダンジョンも長くなり、30分以上セーブできないこともありました。
私はまめにセーブするタイプなので、気が気じゃなかったです。
しかもセーブポイントの前に超強力な敵がいてあっさり全滅させられることもあるし……。
後になってセーブポイントに関する秘密が明かされるのですが、それでも不便さの理由にはならないな、と。
「とりもどそう、ぼくたちのRPG」というからにはメインターゲットは大人だと思いますが、時間的に制約の多い社会人には辛い仕様でした。
せめてセーブポイントがもう少し多ければよかったのに。
・ロードが長い
町や村に入る、あるいはセーブデータを読みこむときに10秒以上待たされることもしばしば。
右下のローディングの表示が完全に動きが止まってしまうこともあり、よくPSボタンを押して再度ゲーム画面に戻るという対応をして読み込ませてました。
ステータス画面を確認しようとしたり、装備を変更しようとしたりして画面を切り替えても細かく読み込みが入る。
バトル中にカーソルをキャラに合わせたり、魔法一覧で決定ボタンを押す際にワンテンポ待たされる。
とにかくレスポンスが悪く、あまりの遅さにパッチが配信されるに違いないと思いきや、発売から何ヶ月もたった現在でもないようですね……。
これからやる方は、PS4版を強くおすすめ致します。
・宿屋がない
このゲームは宿がありません。
全回復するには、フィールド上、あるいはセーブポイントでテントやコテージで回復するしかありません。
イメージというのはバカにならないもので、宿屋できちんとベッドを使って寝ないと、一区切りついた実感がわかないというか、ちゃんと休んだ気がしないんですよね。
設定資料集によると宿がない理由はこの独特な世界観のためらしいのですが、理解はできても釈然としないなあと思いました。
COMMENT
クロノトリガーは未プレイですので、新鮮な気持ちでプレイできました。
いけにえを護衛しつつ最果ての地へ、というとFFXを思い出しましたが、展開はかなり違いましたね。
東京ゲームショウで本作を知り、独特の雰囲気と美しい音楽に惹かれました。
「とりもどそう、ぼくたちのRPG」とはまた大きく出たな、ならばお手並み拝見!ということでやってみました。
静かで切ない世界を描くことには成功していると思います。
ストーリーもキャラも素直に作ってあって好感が持てます。
ただ、それ以上に操作上の不便さが非常に目立ちました。
地味で淡々と進んでいくゲームのため、バトルシステムなどをまだ把握しきれていない序盤は面白さよりも面倒臭さの方が勝ってしまい、何度か途中で投げ出そうかと思いました。
が、その淡々としたところが功を奏したのか、あるいは私が不便さに慣れたのか(笑)、何とかクリアまで行きつくことができました。
クリアしてみれば各キャラに愛着も湧きましたし、まあやってよかったかな……と。
おすすめできる方は限られていますね。
最近の演出過剰、仲間との絆重視なゲームに飽々しているという方。
王道ストーリー展開を求めていたのに裏切られた方。
自分で試行錯誤して打開策を見つけ出すのが好きな方。
前述したような不便さをひっくるめて「あのころのRPG」だと思えるような、時間と心に余裕のある方。
こういう方には向いているかもしれません。
色々と惜しいところが山積みなのですか、決して駄作ではないです。
制作者がわの強いこだわりを感じることができるゲームだったと思います。
Tokyo RPG Factoryの次の作品に期待します!