PS Vita mk2 - PS Vita の参加型レビューサイト

GOOD!

・ストーリー
90年代前半の旧スクウェア節が光るシナリオは、25年経った今プレイしても決して色褪せる事のない輝きを持つ。
物語の中で一番印象深いのがヒーローが挫折を味わうシーンであり、この時にチョコボの活躍も含めてヒーローが立ち直るまでの一連の流れはプレイヤーが操作して挫折に至るまでの流れを知っていたからこそ説得力を有し、改めて自分の想いを抱いて冒険に戻るという流れに共感できるのである。
その他にも仲間となったものとの悲しい別れや、「GB版製作時にテストプレイヤーの女の子が泣きだした」と言う逸話を持つエピローグなど感動するシーンも多い。
・音楽
初めて伊藤賢治氏が単独で作曲を担当した作品でもあり、今でも充分心に残りうる曲が多い。
ヒーローが挫折から立ち直った後のフィールド曲「聖剣を求めて」、物語の中での強敵たちとの戦いに流れる「戦闘2」、音楽も流れなかった町が救われた後に流れる「想いは調べにのせて」など、挙げていくと切りが無いくらいだ。

BAD/REQUEST

・一部ボス戦の難易度上昇
特に中盤・グランス城の中ボス「キマイラ」の異常な強化は多くのプレイヤーにとってトラウマレベルになっただろう。
第1にマインドフレア弾（ヒーローを追撃し、壁などに当たると爆発。爆風にも当たり判定あり）・火の玉を吐く・地を這うように突進…と一見ワンパターンに見えて隙は少なく攻めあぐねる攻撃を繰り出してくる（攻撃できるタイミングはマインドフレア弾を打つ寸前くらいしかない）。
第2に奇岩山をクリアするとしばらく戻れなくなるため、装備が弱い・回復アイテムが足りないなどの状況だと最悪ハマる危険性もある。
第3にこの頃の主力武器「モーニングスター」が隙が大きくなってしまい使いづらくなった（隙が大きめでもMAN攻撃で投げつけられる斧・槍の方がまだ戦いに適している）という下方修正。
これらが全て合わさったため、ゲーム中最大の難所と化してしまった。
また「バンパイア」「マインドフレア」「マンティスアント」「ガルーダ」「ドラゴンゾンビ」「ラストボス」もGB版とは行動のパターンや攻撃方法が異なるため、「がむしゃらに攻撃するのではなく、敵の攻撃をよく見て攻撃できるタイミングに攻撃する」というボスの基本攻略方針を守って戦うくらいしかできない。
・アイテムにまつわる細々とした事
物語後半で手に入る「ドクロの鍵」がGB版と違い売ることも捨てることもできなくなったため、入手した段階でアイテム欄を1つ減らされた状態になるのは人によってはいただけないだろう。
GB版では容量不足で「大事な物」のような重要アイテムだけを入れるカテゴリがないのは理解できるが、そこまで忠実に再現しなくてもよい気がする。ただでさえダンジョン攻略のための「カギ」や「マトック」、MP回復アイテムでアイテム所持数がタイトなのに…

COMMENT

PCH-2000型使用。
ボス戦の行動パターン変化による難易度の上昇など欠点もあるが、GB版にストーリーの流れは忠実でグラフィックも大幅に強化されたというメリットは大きく、充分良作のリメイクと言えよう。
GB版をプレイしていた人もそうでない人も、自分が子供だったであろう25年前の気持ちに戻ってプレイされてはいかがだろうか。後アドバイスだが、ヒロインの名前はできるだけ、25年前当時片想いしていた女の子のものなどにした方がよいかと。