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GOOD!

【注：1週目エンディング時点でのレビューであるため、通っていないストーリー分岐や、運用していないキャラクター・作品・機体あり】

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・良好なクロスオーバー
クロスオーバーといえばスパロボの肝だが、今作は非常に良好だと思われる（原作をほとんどフォローしていないので、「思われる」というレベルに留める）。
特に、今作のメインストーリーの一翼を担っているクロスアンジュ関連、フルメタル・パニック関連の設定の絡め方は素晴らしい。他にも、「宇宙世紀系ガンダムはUCがメインだが、それ以前（逆襲のシャア以前）の作品は影が薄くなるのか」「SEED Destinyは原作終了後だからいるだけ参戦なのか」という点がシナリオ登場時には気になったりもしたが、まったくそんなこともなく、設定などをさまざま取り込んでしっかり生かされている。
そこにさらに主人公（正確にはヒロインキャラであるナイン）もがっつり絡んでくるうえ、個々の作品のキャラとのやり取りが最終盤に効いているのもポイント。

・無双できるが絞りすぎると辛い難易度
個人的にスパロボが良作であるかのポイントは「好きな機体で無双プレイができるかどうか」と「主人公機の性能」だと思っているが、今作はどちらも十分。
機体改造、パイロット養成、強化パーツと、入れ込めば入れ込むほどしっかり強くなるうえ、エクストラアクションによって2回以上行動したり、敵のスキルや特殊能力を無視したりということが誰でも可能になっているので、おおよそ大体のキャラは「愛さえあれば戦える」くらいのバランスになっている（各作品の主人公機であれば相当に強くなる。特にヤマトはifルート（高難度ルート）最終話でさえ無双できるほど）。
ほぼ全シナリオで使用することになる（ゆえに愛着も湧く）主人公機もしっかり強く、使いがいがある。
無双できるとなると、問題は難易度になるが、確かに比較的難易度は低いほうに入ると思われる。ただし、全てのSRポイント（いわゆる熟練度）取得条件を満たしつつのプレイなら、ある程度は広く育てておいたほうが楽だったり、進め方を考えたりする必要もあるので、難易度が低いから特別簡単だ、やりごたえがない、ということもなく、結果バランスも良好と思う。

・戦闘グラフィック
ヤマトvsガミラス艦隊をはじめ、今作も戦闘グラフィックの出来がいい。とにかくよく動くし派手なものも多い。プレミアムエディションには原曲がつき、戦闘BGMとして設定できるので、それでプレイしたくなるくらいの出来（ただ、普通にBGMも良く、原曲でないとだめ、ということもない）。

・価値十分なDLC
発売時からDLCがリリースされている。ストーリー各話の間にはさまる、一話完結型のシナリオだが、これもいい感じに本編の隙間を埋めている。プレイしなくても構わないが、プレイしていればより楽しめるし、全DLCのまとめ買いであれば資金やTacP（パイロット養成などに使うポイント）が相当量ボーナスとしてもらえるので、序盤のストーリーを快適に進める原資としても十分。
また、DLCのシナリオには、本編でおこなった強化やレベルなどは引き継がれず、固有の設定でプレイする仕様となっているため、本編とはちょっと違う形でプレイできるのも○。

BAD/REQUEST

・一部項目の説明が不十分
ソフト付属のマニュアル（紙もソフトウェアも両方）が薄く、操作説明くらいしか載っていない。SELECTボタンでヘルプが表示できるが、これも基本的には操作方法（といくつかの項目の説明）のみとなっている。基本的には問題はないうえ、動きから機能がすぐわかったりするものなども多いが、特に以下の項目は説明が見当たらず、当初どういう意味であるのか戸惑うことになったので、個人的にはその点がややマイナス。
1) パイロット・機体一覧での優先度設定
各一覧では□ボタンを押すことでその機体の優先度が設定できる（なし、優先、最優先の三段階）。これによってお気に入りの期待や優先的に出撃させたい機体をリストのトップにソートできるが、（操作方法や設定した結果のアイコンの表示含め）説明がない
2)優先度設定が表示される枠内にいくつかアイコンが表示されるが、どのアイコンがどういう意味なのかの説明がない。以下例
Ev ... イベント出撃、次Mapで強制的に出撃する（出撃時リストには表示されない）
Ev（禁止アイコン） ... 出撃禁止／不可。次Mapで出撃ができない機体に表示される（海のないMapでのトゥアハー・デ・ダナンなど）
碇マーク ... 戦艦ユニットとその搭乗キャラクターに表示
Main/Sub ... 複数キャラクターが搭乗する機体のメインパイロット（Main）とサブパイロット（Sub）
VR ... 変形可能機体（Variable）
3) シナリオ中、キャラクター能力表示画面の、キャラクター絵の下に表示されるBoosted表示
何らかの効果によってキャラクター能力がブーストされている場合に表示（ホシノ・ルリの能力「電子の妖精」の影響範囲内にいるときなど）
ただし、何の効果によってブーストされているのか、どのくらい効果を受けているのかはこの画面からは不明
4) マップのマーク
シナリオマップ中、SELECTボタンを押すとカーソルが当たっているマスがオレンジ色になる（だけ）。ただの目印だが、何に使うのかは不明（ただの目印だと思うが使用せず...）

・設定がやや複雑
中盤以降は多数の世界をまたいで物語が展開するため、世界設定がやや複雑。どの作品がどの世界からきているのかとか、どういうかかわりがあるのかとか、設定になじんでいない時期や謎がまだ多い時期は混乱しがちになってしまう感がある（ただし最終的にはよくできている）。
また、どうしてもストーリー展開が（世界転移ごとに）やや切れてしまうため、さっきまで戦っていた敵との決着がだいぶ先になったりしてしまいがち（わかりやすいのがヤマトで、序盤しっかりストーリー展開するがその後の展開自体は相当あいだが開いて終盤になる）。この展開によって早めに加入するキャラもいるので、一長一短ではあるものの、人によっては気になるかもしれない。

・一部機体（というかぶっちゃけガンダム）の扱いが微妙
基本的には「ストーリーからあぶれる作品はない」し「愛があれば無双できる」のだが、それにしてもガンダム系全般がやや不遇感。
ストーリー的なメインはガンダムUCと劇場版OOになっていて、他のガンダム系作品はストーリー的に、というより設定のクロスオーバーがメイン（この点はうまくクロスオーバーしている）。逆襲のシャア以前は既に原作終了後ということになるわけで、登場するキャラ人数が少なかったり、あるいは加入が遅かったりする。
機体性能としても、（ストーリーにしっかり絡むこともあって）いわゆるリアル系だとクロスアンジュやフルメタル・パニック勢を使いたくなってしまうし、性能自体がそこまで高くないこともあるので、使おうと思って使わないと自然とリザーブメンバーに入ってしまいがち。
作品自体が好きだと少し残念に思うかもしれないポイント。
スカルハート（X1改・改）やフォースインパルス、インフィニットジャスティスあたりはもう少しなにかあっても良かったような（このあたりは最後まで継続して搭乗する機体で、作品が好きでメイン張りたい人も多そうな機体なので）。

・敵が片っ端から粘着ストーカーor高慢
エンブリヲ（クロスアンジュ）に始まり、レナード（フルメタル・パニック）、エグゼブ（マイトガイン）ととにかく敵役が片っ端から粘着質。かと思えば、オリジナル勢やガミラス勢などは高慢。話を聞かないレベルのキャラも結構いるので、こういうキャラが嫌いだとちょっとしんどいかもしれない（しんどかった。完全な個人的嗜好ではあるけれど）。
しかし原作再現と考えるとこれも評価ポイントか。オリジナル勢はもう少しカラッとしててくれたらなあと思わなくもないけれど。

・ボイスパターン
戦闘時のボイスパターンはもう少しあって欲しかった（単純な希望）。
援護攻撃時のボイスパターンや、攻撃時のボイスパターンなど、何度か見るとパターンを見つくしてしまうのはグラフィックの出来からしてもちょっともったいない感じはする。

COMMENT

若干、本当に若干のマイナス点はある（おおよそ個人的な趣味嗜好の話だし）ものの、非常によくできた「単作スパロボ」。
控えめな難易度とキャラ愛さえあれば運用もなんとかできるバランス、良クロスオーバーに扱いやすい主人公機、約50話＋αという標準的な長さのシナリオと、スパロボ初心者であっても全く問題なく遊べる作品に仕上がっていると思うので、原作好きなら（好きでなくても面白いけど）スパロボ未経験でも、また未経験者にもお勧めしたい。