東亰ザナドゥ レビュー
スコアボード
- 中央値
- 62
- 難易度
- 1.47
- レビュー数
- 19
ユーザーレビュー
452人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
1pt | 3pt | 3pt | 1pt | 1pt | 2pt | 0pt |
30pt
GOOD!
・グラフィック
ファルコム3Dの粗さ不自然さは相変わらずではあるが、モーション等は徐々に改善されつつあるので今後に期待。背景は綺麗な方かと。街並みのグラフィックも作り込まれており世界観にすんなり入っていける。
・サウンド
よく言えば世界観に馴染んでいる、悪く言えば特に耳に残らないBGM。可も不可も無くといった印象。
・快適さ
親切丁寧なユーザビリティは流石。手帳のおかげで目的を見失うことも無く数日間を空けても快適にプレイできる。後述するが、過度な新設設計が鬱陶しい部分も。
BAD/REQUEST
・オリジナリティ
すべてどこかで見たストーリーにどこかで見たキャラクター、どこかで見た設定でオリジナリティを見出すのは難しい。手帳システムのフレンド埋めや料理コンプなどもすべて過去作から引き継いでいるため今作だけのオリジナリティは感じられない。
・ストーリー
青臭さ、泥臭さ、学生故のダサさ、すべてあっていいのだ。それを愚直に真摯に作れば流石ファルコムの王道RPGと呼ばれるストーリーになり得ただろう。
しかし今作で一番「ダサかった」のは青臭さでも泥臭さでも無く、それをキャラクター自身に「ダサい」と言わせてしまったこと。これが本っっっっ当に酷かった。コウやユウキが度々口にする「クサい」「恥ずかしい」「厨二かよ」「アニメかラノベかよ」というメタな台詞の数々が製作者の言い訳を言わされているようで悲しくなった。「ダサいの解ってるけど敢えてこうしてるんですよ~」みたいな。もっと自信とプライドを持って「王道で青臭い青春RPG」を作ってほしかった。
それからライターの方の癖だろうが、同じ言い回しが多すぎ。「ったく」「どうか」「流石」「○○(キャラ名)…!」「お願いするッス!」は何十回見たのか分からない。終盤で「話は後だ!」が3シーン連続で出てきた時には呆れを通り越して笑えてきた。シナリオの草案をそのまま使用しているのかと言う程台詞回しに一切の工夫が見られない。
ファルコムを初めてプレイする人には新鮮かもしれないが、意外なあの人物が実は…!的な展開ももう飽きた。パターン化しすぎてつまらない。ストーリーのファルコムは一体どこに行ってしまったのか。
・熱中度
良いところで親切丁寧なユーザビリティと書いたが、これが熱中度を妨げている。次は何をすればいいのか、どこに行ったらストーリーが進むのか、現時点での最強装備はどこで手に入るのか、ヒント過多な上に全てを説明してくれるので自分で考える必要がまったく無く「指示されたことをただやらされている感」が増していく一方。つまらなくなって放置、また思い出した頃にプレイを繰り返し、クリアするのに3ヶ月要した。このアシストはシリーズを重ねるごとに酷くなっている。初心者にはこれでもかと言う程親切な設計だと思うが、自分で考えプレイしたい人間には余計なお世話としか言いようがない。次回作こそはアシスト機能のオンオフを切望する。
・システム
アクションメインで魔法詠唱が無いならアーツシステムを無理やり流用する必要は無かったのでは?アーツは改悪に次ぐ改悪で今作ではついに自分で考える要素がほぼゼロ。異界で拾った素材でパワーアップ→ステupの霊石をセット→の繰り返し。ラインも意味なし。ラインの長短でステup特化にしたりアーツの組み合わせを考えるのが楽しかったのに…。
COMMENT
英雄伝説シリーズはイセルサーハ以外のガガーブトリロジー、軌跡シリーズは全てプレイしている。購入動機は「ファルコムだから」。
ファルコムだからと期待しすぎたのかもしれないが、ここ数年は次こそは期待してはがっかりさせられている。同じアクションなら那由多の軌跡の方が余程オリジナリティもあり出来が良かった。流石ファルコム、と思えるような作品にもう何年も触れられていない。
それでも次回作も買ってしまうと思う。だってファルコムが好きだから。ワクワクドキドキさせてくれたガガーブトリロジーの感動を忘れられないから。ファルコムならいい作品を作ってくれると信じているから。
次回作に期待しています。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
0pt | 2pt | 3pt | 2pt | 2pt | 3pt | 1pt |
41pt
GOOD!
PSP版の空の軌跡FCからの軌跡シリーズファンです。なお、那由多の軌跡はやっておりません。
本作については、ファルコム初の現代ものということでちょっと物珍しさを感じて手をだしてみたというスタンスです。
イージーモードで、戦闘はそんなに気合入れてやっておりません。
また、後述しますが本作は閃の軌跡に非常によく似ていますので比較対象として頻繁に名前を出していきます。
まずは良い点から。
・音楽はさすがのクオリティー
現代ものだからか、軌跡シリーズよりはメロディラインをおさえた控えめな感じだったかな?
そのぶん異界関連の曲はバラエティーに富んでいて印象的な曲が多かったですね。
特にサントラで言うと「Possibility Flaps」「Hazy Moon」「Immemorial Sanctuary」あたりはとても好きです。
・住民一人ひとりにドラマがある
軌跡シリーズもそうでしたが、本作も学生たちや杜宮の住人の皆さんとの会話が楽しいです。
フレンドのリストに載らない人達も、話が進むにつれてだんだん状況が変わっていく。
この人達は杜宮でちゃんと生きてるんだなって思えます。
終盤になると大変な状況だけどあの人は今どうしてるんだろう?という気持ちになりましたね。
・キャラの見た目が綺麗になった
閃に比べてかなりイラストに近い感じになりましたね。
特に女性キャラは本当に可愛いです。
閃のときには大人の男性の顔が下膨れな感じで今ひとつだったのですが、今作ではだいぶ解消されています。
とはいえ、それゆえに悪いところも目立つわけですが……。
これは後述する悪いところで。
・戦闘時のアクション操作はごく簡単
アクションは苦手なのですが、それほど複雑な操作を要求されるわけでもないし、ダンジョンも複雑な作りではないのであまり苦労はしていません。
若干高低差のあるダンジョンだと距離の目測がとりづらいというくらいかな?
私はコンボはあまり考えず、弱点の属性で攻撃することを重視していましたが、その属性が苦手なグリードがいるとちゃんとキャラが「自分に任せろ」と言ってくれるのはわかりやすくて良かったですね。
BAD/REQUEST
残念なことに悪い点は非常にたくさんあります。
・閃の軌跡からの流用が多すぎる
オリジナリティーを0点とした理由がここです。
レシピ集め、本集め、敵の造形、びっくりしたときに頭の上に飛び出るマーク、ミニゲーム、はては人物の動作まで。
見た目からシステムからありとあらゆる要素が閃の使い回しで、東亰ザナドゥの独自性を感じることはできません。
閃Ⅱの出来が悪かったことを考えると、こんなもの作ってたから閃Ⅱがあの体たらくだったんじゃないか?なんて疑うほど嫌な気持ちになりました。
おかげで序盤からテンションが急降下してしまいました。
・ボイスがついたりつかなかったり
イベントシーンでモブキャラには声がついているのに、何故か主人公側にはついていない、その逆のケースもあったりで聞いていて落ち着かないです。
中途半端な作りはこれもまた閃と同様でした。
・キャラの動きが不自然かつワンパターン
キャラの見た目は確かに綺麗になりましたが、そのぶん動きの不自然さや稚拙さがより目立つようになってしまっている。
3Dキャラになった閃から数えて3作目でこの進歩のなさはどうなんでしょうか?
こちらに歩み寄ってくるシーンでしばらく目を閉じたまま歩いてきたり、店員さんに話しかけると一瞬変な風に身体を揺らしたり……、人間の動きとして不自然なんですよね。
また、動きのバリエーションも少ないです。
例えばゲーム開始から1時間程度で、トワとシオリとソラ、それぞれ別のシーンにも関わらず、慌てて何かを否定する時に3人とも「軽くのけぞりながら両手を前につきだして激しく振る」という仕草をとる。
要するにかわいい系の少しおとなしめの女性キャラはひとまとめにそういう動きをするものだと設定されてしまっているんですね。
驚くなど激しい感情が表れるときには最もそのキャラの個性が現れそうなものなんですけどね……。
あとこれは非常に細かいんですが、和服を着ているキャラが洋服を着ているキャラと全く同じ動きをしているのはどうかと。
和服がまるでゴムのスカートを履いてるようにみえて不自然です。
・バトルで防御がない
イージーでやっていますので特にそこまで大変ではなかったんですが、回避だけじゃなくて防御もほしかったなあ。
あとロックオンしたらカメラも追従するとかキャラがそっち向くとかしてほしかったです。
特に周囲を大量のグリードに囲まれるとカメラワークのせいで、画面外の敵に攻撃しなきゃいけなかったり自分の位置がわからなくなったりしてやりづらかった。
必殺技の演出がカットできないのも地味に辛い……。
・ミツキのS衣装が閃Ⅱのエマとそっくり
ダウンロードコンテンツで入手できるそれぞれのキャラのS衣装はどれも素敵で気に入っているのですが、何故かミツキだけ閃ⅡのエマのS衣装と同じくニットワンピースにベレー帽です。
確かに両方魔法使い系のキャラではありますが、別のゲームなんだからちゃんと別の衣装を用意してほしかった。
ただでさえ閃に似すぎてあまりいい印象を持っていなかったのに、とてもガッカリしました。
・自分ツッコミ、言い訳が多すぎる
キャラが熱い台詞のあとに「ちょっとくさかったかしら」「青春ドラマかっての」とか自分でツッコミ入れるシーンが多くて辟易しました。
終盤になるにつれて「せっかく良い台詞いってるんだから頼むからここで余計な自分ツッコミを入れるのはやめてくれよ……」と祈ってしまうほど。
ベタで熱い勢いまかせの青春ドラマを描きたいなら、変に言い訳しないで貫き通せばまだ清々しいのに、見ていて興ざめです。
・新キャラが出る度に声優さんの名前を一緒に表示する
閃のときからなんですが、一気に現実に引き戻されるんでこれはやめてほしいですね。
・台詞に癖がありすぎる
既にレビューであげてくださってる方がいますけども、「○○っていうか」とか、「○○するとしよう」とか、男女区別なく似たような台詞いうんですよね。
各々のキャラの個性を無視している感じがしてあまりいい気持ちではなかったですね。
軌跡シリーズでもそうでしたけど、さすがに今回は気になりました。
・主人公(と真ヒロイン)に感情移入しにくい
主人公が何故あんな性格なのか種明かしされるのは終盤のため、それまでは彼の挫折や葛藤があまり描写されない。
このため、主人公に親近感が抱きにくいし感情移入がしづらい。
絆エピソードでわかるのは相手の事情であって、主人公についてはわからないし。
今ひとつ主人公に共感できないまま序盤から中盤まで似たような展開が続くので、単調で薄っぺらな話という印象が強くなってしまう。
終盤彼が自身の問題に必死さを見せたとき、ようやく彼の人間らしさを感じることができました。
それは真のヒロインにしても同じことがいえます。
ゲーム、特にRPGは何十時間も特定のキャラと過ごすわけで、一緒の時間が長ければ長いほどどんな微妙なキャラでもそれなりに愛着がわくものです。
でも、本作はこの時間がもたらす効果を考慮していない。
思い入れがあまりない人物が実は超重要でしたと言われても「えっ、いまさら!?」って感じだし、画面の向こうだけで盛り上がられても感動も何もあったものじゃないです。
アニメやラノベならあのくらいの描写でいいとは思いますが、何十時間もプレイするだろうゲームであれば見せ方をもっと工夫するべきだったのでは?
トゥルーエンディング自体は、ノーマルエンディングを見た後であれば、まああっても良かったかなと思いますが……。
COMMENT
ファルコム初の現代もので新シリーズと銘打たれた本作ですが、残念ながら閃の悪いところがそっくりそのまま引き継がれてしまっていました。
良い点もあるんですが、それは既に閃でも言われていたことであって、「東亰ザナドゥだからこその良さ」というものを挙げにくいのです。
特に私が残念だと感じたのは、ゲームの世界への没入感を妨げる要素があちこちに見られるというところです。
あの名作、空の軌跡を作った会社と同じとは思えないほど雑な見せ方をしているのです。
一番の問題点は、中心になって動く主人公たちキャラクターの描写が粗雑であることではないかと思います。
ファルコムらしくやたらにハイスペックな学生ばかりというのは置いておくとして、彼らだからこそこの物語なのだという説得力がないんですね。
そのキャラクター自身が考えて行動しているのではなく、まず決まったストーリーの流れがあってそれに従ってただ動かされているだけという印象を受けるのです。
もちろん本作も杜宮市という世界をリアルなものにするしかけはたくさんありました。本しかり、住民や学生たちとの会話しかり、クエストしかりです。
でも、現代ものならリアルさを出すための工夫はもっと丁寧に、慎重に、念を入れてするべきだったと思うのです。
本作をやっていると、プレイヤー側にもある程度世界に関する知識があるために、余計な疑問がどんどん湧いてきてしまうんですよね。
「別の手段がまだ残っているはずなのに何でそうしないの?」
「こういう可能性もあるのに何でそういう結論になるの?」
「そこもっと突っこんで考えないの?」……等々。
そういう疑問をねじふせるくらいキャラが魅力的なら良かったのですが、悪いところでもあげたようにキャラの個性を潰してしまうような演出がちょくちょく入るわけです。
この結果いまいちこの世界に入りこめなくなってしまっているのです。
閃と違ってゲーム1本でお話がちゃんと完結しているのですが、ファルコムに求めているのはその程度のレベルではなありません。
こんなものじゃない、もっと面白いゲームを作れるはずだろう!と歯がゆくてならないのです。
開発する時間も、人材も、予算も足りないんだろうな……とやっていて切ない気持ちになります。
足りないなら足りないなりにどこが重要なのかをきちんと見極めて作って欲しいのです。
リアル☆SPiKAだのDLCだの予約特典だの、力を入れるところが間違っているのではないでしょうか?
これ、閃Ⅱのときにも同じようなこと書いたはずなんですけどね……。
かなり厳しく評価しましたが、解明されていない謎もいくつか存在するので、もしかすると続編ではいい方向に進化するのかもしれません。
その際にはまた買うだろうと思います。
ということで、本作は軌跡シリーズ、特に閃の軌跡をやったことがある方にはおすすめできないです。
逆にやったことがない方は、ファルコムのゲームのとっかかりとしてプレイしても良いのではないかと思います。
ただ、これ一本だけで印象を決められてしまうのも悔しいところではあるのですが。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
0pt | 3pt | 4pt | 2pt | 2pt | 3pt | 0pt |
44pt
GOOD!
同社のイースシリーズや軌跡シリーズなどプレイ済です。閃の軌跡1、2(以下「閃」)を引き合いに出しながらのレビューとなります。
○3Dモデル
閃の頃と比べると大分イラストに近づいてきたと思います。
○モブキャラの台詞量
いつものこと(と言ってしまえるのがもうすごいんですが)ですが、話が少し進むたびに街中にいるモブキャラの台詞が全部変わります。
○マップショートカット
場所が細かくエリアに分かれており、いつでもショートカットで移動できて便利です。1つのエリアに複数の店がある場合など、一度店の外に出て……という手間が省けてとても便利でした。
○一度クリアしたダンジョンはいつ何度でも挑戦可能
素材集めなどに便利。
○BGM
ここはさすがファルコムというべきでしょうか、戦闘曲なども気分を盛り上げてくれるものが多く、良かったと思います。
○トゥルーエンド
閃2の黒の史書関連で叩かれたのに懲りたのか、わざわざ二周する必要もなく、一周目からトゥルーエンドに行けます。
BAD/REQUEST
○オリジナリティ
本作は現代を舞台にしたアクションRPG版軌跡シリーズみたいなものだからか、至る所に軌跡関連の小ネタがあります。武器屋に閃主人公の刀が飾られていたり、本屋で売られている書籍の表紙が軌跡シリーズのものだったり……。そういうのは単純にファンサービスとしても、本作はそれ以外の部分でも閃の使いまわしが非常に多いです。成長システムもそうですし、ミニゲームも全部閃であったものです(スノボとスケボーが違うくらいでしょうか)。あまつさえ、ダンジョンで出てくる敵すら閃の使いまわしとか……。こういうのは単なる手抜きです。どれもこれも「どこかで見たことがあるもの」ばかりで、本作独自の要素っていうのがどこを探しても出てきません。ていうかゲーム内のモブキャラが「最近の作品はどれも似たり寄ったりで作り手としてのプライドが感じられない」みたいな発言をするんですが、何これ自虐ですか?
これが閃の軌跡外伝とかってタイトルならまだ理解もできますが、新規タイトルでこの使いまわしの嵐はさすがに正気を疑います。よってオリジナリティは0点。
○ストーリー
良く言えば、無難。悪く言えば平凡、ありきたり、ワンパターン、盛り上がりに欠ける。設定を活かせていない部分もあると思います。オマケに終盤はこれまで一切そんなことを言ってなかった奇跡がどうだの言いだして無理矢理ハッピーエンドに持っていくご都合主義全開の超展開(実際に「ご都合主義」という台詞が作中に出てくるくらいです)。別にハッピーエンドが嫌なわけじゃないですけど、もう少し上手な持っていきかたがあったのでは?
○キャラクター
主人公の喋り方が若者っぽいというよりは、いい歳したおっちゃんが無理して若者ぶった喋り方をしているように思えて仕方ありませんでした。実際ライターさんはいい歳したおっちゃんなんでしょうからしょうがないといえばしょうがないですが。
閃のときもそうでしたが、ここのライターさんは語彙が貧しいのか単なる癖なのか、同じ言い回しをやたら使用してきます。一旦気になりだすと気になって気になって仕方ないです。本作で多用されているのは「ったく」「とっとと」「○○するとしようぜ」です。「とっとと」は特に多かったです。
それと特定のキャラ(閃からのゲスト?出演のキャラ)の持ち上げがちょっとやりすぎ。どんだけ天才設定を詰め込むのか……。
○戦闘
まずモーションが、閃のフィールドアタックに毛が生えた程度のもの……といえば伝わるでしょうか。向こうはあくまでRPGだからともかくとしても、2015年に発売の、仮にも「アクション」がつくRPGでこれはさすがにまずいでしょう。そして攻撃が単調。1キャラにつき用意されているのが基本の連撃と飛び道具、溜め攻撃、空中攻撃と超必殺技がそれぞれ1つずつ、これで最後まで行きます。いくらなんでも少なすぎ。ついでに言うと超必の演出はスキップ不可です。使わなきゃいいだけですが。
更に回避がやりづらい。無敵時間が非常に短く、更に敵の攻撃は範囲が広い上にある程度のホーミングもしてきます。また敵は雑魚であっても基本スーパーアーマーでのけぞったりしません。こっちが攻撃中でも容赦なく割り込んできます。
……というと難しそうに聞こえますが、実際は真逆です。私は難度ノーマルで一周クリアしましたが、ゲームオーバーはおろか、戦闘不能にすら一度もならず、回復アイテム(状態異常の回復を含む)も一切使用せずにクリアできました。簡単すぎです。敵の攻撃なんて簡単に避けられるものだけ避けてあとは食らいつつひたすら溜め攻撃(キャラクターによっては飛び道具)を連発しているだけで雑魚からボスまで大抵なんとかなっちゃうようなレベルでした。ファルコムのアクションって結構難しい印象があったんですけど、新規タイトルだから難度を下げたんでしょうか?
またボタン配置が難ありです。カメラリセットやサポートキャラとのチェンジが方向キーに割り当てられているので、移動しながらそれらの操作をするのが困難です(オプションで変更できるのは方向キーのどの方向に割り当てるのかという部分のみ)。
○ダンジョン
背景が違うだけでどれも似たり寄ったりです。部屋と部屋が通路で繋がれているだけ。ちょっと違う感じになるのはラストダンジョンだけです。
また、パーティーを複数に分けて攻略するダンジョンがいくつかありまして、普通ならAルートでスイッチを入れるとBが先に進めるようになり、今度はBルートで……と交互に切り替えて進めていく方式を思い浮かべますが、本作ではただ道が分かれているだけで個別に攻略して合流してハイ終わり!という残念っぷり。それだったらそもそも分ける必要ないんじゃないですか?
COMMENT
BAD項目がとても多くなってしまいましたが、決してクソゲーではありません。個人的には凡ゲーくらいの評価です。ガッカリが多いのは確かですが、使いまわしがなければギリギリで良ゲー認定してもいいくらいでした。とにかく使い回しが多いのとワンパターンなのが残念です。キャラクターやストーリーについての評価は人それぞれな部分もあるでしょう。私はあんまり合いませんでした。
納期の関係で全部イチから作り直している余裕がなかった……などの大人の事情もあるのでしょうが、それでも使い回しは良くないです。この点については猛省を求めたい。売れれば続編を考えるという話だそうなので、作るなら作るで次回作こそ手抜きをせず真摯に製作してほしいです。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
1pt | 2pt | 4pt | 3pt | 2pt | 3pt | 0pt |
50pt
GOOD!
○杜宮に生きる多くのキャラクターたち
ファルコム作品で相変わらず舌をまく思いなのが、登場するキャラクターがモブキャラ含め、その世界にちゃんと生きているんだということを感じさせてくれることです。ストーリーごとはもちろん、同一話数内でもタイミングやイベントの前後で会話内容が変化するのは素晴らしい。特に、今作は現代が舞台ということもあり、実際に生きる私たちと近い価値観の人もおり、今までの作品以上に共感できるキャラクターの声が多かった
○安定のBGM
こちらも相変わらずのファルコム作品特有、熱いBGM。特に「魔女の荊城」はPVでも用いられた楽曲ゆえ期待値が高かったですが、場面の盛り上がりに合わせて効果的に使われていたように感じます。後半のダンジョン曲も怒涛の勢いでプレイを盛り上げてくれるものばかりでした。サントラが楽しみです。
○プレイの爽快感
難易度があまり高くないため、雑魚キャラをバッサバッサと倒してダンジョンを進めることができます。Sグリードなどは若干の戦術性があれば突破できます(無論ゴリ押しも可能)ので、割と爽快です。難易度をノーマルorイージーにすると、射撃スキル一択になりかねないですが、途中で出てくる射撃バリア持ちのグリードのおかげで射撃だけで突破できるわけではなくなります。
○やり込み要素
キャラクターの会話が変わるのも含みますが、料理・本・戦闘手帳・フレンドと相変わらずのやり込み要素の多さです。これらをコンプしようと思えばそこそこのボリュームで(飽きなければ)楽しめること請け合いです。トロコン自体もそこまで難しくなく、適度にやり込み様があるゲームに仕上がっています。(トロコンは10月中旬時点でバグ存在のためできていませんが、バグ修正が入れば即座にトロコン可能までやりこんであります)
BAD/REQUEST
○エピローグのストーリーの一貫性のなさ
本作のストーリーですが、一言で言って「デウス・エクス・マキナ」です。
最終話まではやり込み要素中に伏線をちりばめつつ、異界・怪異がらみの不可思議な現象を主人公たちが一つずつ解決させていく、王道的、青臭さの残る青春活劇です。ところが、エピローグになると、怪異とはまた違う「神様」を出現させ、作中キャラも言う通りの「ご都合主義」でめでたくハッピーエンド。
せっかく最終話まででうまいこと伏線回収もしながらストーリーが構築されていたのに、エピローグで全て台無しです。あまりにもがっかりした状態で全クリを迎えてしまったため、今までのストーリーはなんだったのかとあきれ返るほどでした。ハッピーエンドで終わらせたいのはわかりますが、それならそれでハッピーエンドへの持って行き方があるでしょう。この一貫性のなさは本作最大のBAD要素です。
○作中キャラクターに多くを語らせすぎ
スターカメラの子供、イベント時のユウキの一言など、制作スタッフにそのような意図がないにせよ、スタッフの「言い訳」をキャラクターに代弁させるのが気持ち悪かったです。
百歩譲ってスターカメラの子供は、ゲーム観を語るだけなので、そういう解釈や意見もあるよね、でスルーできますが、ユウキの「ご都合主義」、「ボーナスステージをやらない手はない」などの発言はストーリーにどうしても関わってくるため、見るたびイラっとしながらボイスをスキップしました。メタ発言を全く入れるなとは言いませんが、ここまで言い訳じみたメタ発言はふざけるなとしか言いようがありませんでした。
○発展途上?のグラフィック
閃の軌跡以来、360度3Dグラフィックを採用して3作目。もうそろそろグラフィックになんらかの成長が見られると1ファンとしては安心できるのですが、今作は全くです。モーションももしかしたら閃の軌跡IIの方が良かったのではないかと思わせるものが多いです。閃の軌跡ならあくまでストーリーRPGとしてモーションなどにそこまで気は取られませんが、今作はアクションRPG。アクションを前面に押し出してきた以上、このグラフィックでこのレベルのモーションというのはどうなのかと。10年ぐらい前のアクションゲーをプレイしている感覚に陥りました。
イース新作がPS4で、と発表されていますが、このグラフィックレベルでPS4は持て余すだけでしょう。
○オリジナリティ皆無の作品
この作品の独自の要素はどこにあるのか、と考えると、どこにもないとしか言いようがないです。那由多の軌跡・閃の軌跡II・イース セルセタの樹海などからシステムを借りて、現代RPGものとして例えばペルソナの設定を借りれば本作が出来上がります。これは偶然でしょうが(そう信じたい)、格闘系女子、アイドル、見た目ヤンキーながら実はいい奴というあたりもどこぞのRPGの主要キャラを彷彿とさせます。
COMMENT
ファルコム作品は軌跡シリーズ全て(那由多含む)・PSPとして出ているイース作品は既プレイ。ほかレトロ系も何作か。
グラフィック・システムで閃の軌跡IIのものを多く踏襲しているため、そちらとの対比が多くなりましたが、ご容赦ください。
上述の通り、バグが修正されればすぐにトロコン出来るまでやりこみましたが、残念ながら満足度は本当に「普通」としか言えない状態です。
全クリ時に達成感がなかったのですが、上述の通りストーリーにがっかりして終えてしまったのが根本の原因だと思います。
ファルコムの新作ということで、少し期待値が高すぎたのかもしれませんがそれを差し引いてもやはり、普通としか言えない満足感です。期待値も含めて評価は微妙とさせていただきました。
そして、今後の危惧として、あれほどストーリーが良かったファルコム作品でこんな雑なストーリーを展開されると、今後の別作品にも同じようなことが起こるのではないか不安になります。(特に、死者の蘇り系)
総括として、ファルコム初の現代RPGということもありましたが、全体的に物足りない1作になりました。
PS4のイース、軌跡シリーズの続編ではこれらの問題点がうまいこと改善された作品になっていることを願ってレビューの締めとさせていただきます。
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GOOD!
ガガープから軌跡と何度もプレイしたファルコムファンですが、そんなファルコムファンの視点から感想を書かせて頂きます。
良かった点、、。実際にクリアしてみて振り返って考えてみると、なんだろう、なんかいいとこあったかな。。そう思わせてくれるゲームでした。
そのくせなんとなくプレイを続けてなんとなくクリアできる暇つぶしにはもってこいのゲームな印象。
良いところといえばまさにその点のみでしょうか。
BAD/REQUEST
まず言いたいのは、このゲームの世界観、設定といったものの全てにがっかりしました。
ストーリーに関しては、過去の地震、今回の事件という、点と点の繋がりが薄っぺらく、このゲームのストーリーの一番の魅力、謎になりえた設定が絶妙にうまくはまっていない。最悪の出来。
また、結社、、、教会騎士、、、国防軍、、、どこかで聞いた設定に本当にうんざり、トワの登場にはうんざりを通り越して血のけがひきました。
そこまで軌跡を引用するのであれば、軌跡、イースの新作に注力すべき。ファンの事も新規プレイヤーの事も本当に馬鹿にしてるとしか思えない。
さらに音楽、曲調が軌跡のまんま、学園ではペルソナ4を意識してる様な印象。
モーションがひどいのは覚悟してましたが、操作性が最悪。キャラ交代が十時キー右、というのが一番最悪。レバーから指を離すのでいちいち立ち止まらなければならない。
弾幕強すぎ、他のキャラが本当に不要。ボス戦は弾幕弾幕、ドライブ、弾幕弾幕の繰り返しでノーダメージ、本当になんすかこれ。難易度なんかありません。
閃の軌跡から3Dになって、作中の世界に命を感じない。一点を見つめながら幽霊の様に歩く町の人、等の温度を感じないモブキャラ達のせいで世界が死んでいる。
散策する気なんて全くおきない。
昔は2Dでだせてた緊迫感、重要イベントでの息を飲む感じが全くない。紙芝居をみている様。
イベントもどこかでみたようなセリフまわし、
どこかでみたような展開、
バレバレの伏線、
結局友人達の中に実はこんな人が、、、。
の連続でとても世界が狭い。
とにかく書ききれないほどがっかりなゲーム。
日本ファルコムのゲームを始めてやる、という方はそこそこ楽しめると思います。
COMMENT
日本ファルコムのゲームは今後、発売日からしばらく様子をみます。生粋のファルコムファンでしたが今回の新作は本当にいただけない。がっかりを通り越して血の気がひくゲームでした。