PS Vita mk2 - PS Vita の参加型レビューサイト

GOOD!

ＰＳ２版及び本作クリア済み。

〇オリジナリティー
世界観としては現代の田舎町を舞台にしたロールプレイングーム。
探索（バトル）＋ゲーム中の事件の謎を追う＋高校生としての日常生活のバランスが絶妙で、どの要素もオマケ程度に甘んじずきっちりとゲームの面白さを支える柱としての完成度。
コミュニティー（コミュ）と呼ばれるメインストーリー外の、プレイヤーが任意で選択し進行していくストーリー進行もあり、２０近くあるコミュのストーリーを進行させることでバトル時での主人公の強化にも繋がる等、バトルとのリンクも秀逸。
戦闘はオーソドックスなターン制を採用しつつも、ペルソナチェンジ・１more・総攻撃・アナライズ等、ペルソナ３から引き継がれた要素がさらに洗練され、繰り返し戦闘を行っても飽きにくい。

〇グラフィック
携帯ゲーム機に移植されたことによるグラフィックの劣化は基本的に感じられない。背景や設置された小物はより鮮明になり、主人公の分身たるペルソナはＰＳ２版から質感が変更されたのか以前のポリゴン特有の安っぽさが緩和されたように思う。
防具とは独立した「コスチューム」の追加で、探索パートでキャラの防御力を気にせず好きな衣装を着せることができ見た目の変化を楽める。

〇サウンド
その時の状況雰囲気にマッチしたＢＧＭでバトル中、物語共に盛り上がる。
繰り返し聞くことになる通常戦闘時のＢＧＭは、軽快でストレスなく戦闘をする一助になっている。
Ｐ４Ｇからの追加要素として新しい楽曲の追加や、既存のボイスなしだった一部のイベントに声が入れられているのも〇。

〇熱中度
コミュ・ペルソナ全書・クエスト・アイテム・コスチューム・トロフィー等コレクター魂をくすぐられるようなやり込み要素が多くあり、さらに二週目以降は一部データの引き継ぎやバトル面の細部設定といった繰り返し遊ぶことを想定して作られている点。

〇満足感
物語の大筋を知っているＰＳ２版プレイヤーでも新鮮さをもってプレイできるゲーム作り。既存のイベントの合間合間に新イベントが結構なボリュームで挟み込まれおり既プレイヤーでも良い意味で油断できない。
他の追加要素も新コミュ・新ペルソナ・夜の自由行動・原付での移動・野菜の栽培・３学期の追加等々、新旧あわせるととてつもないボリュームに。バトルパート生活パート共にやることは尽きない。

〇快適さ
検索合体機能や継承スキルの手動選択機能追加によって、ペルソナ合体のスキル継承の過程で、ペルソナ３やＰＳ２版で無駄にしていた膨大な時間を省くことができたのが何より大きかった。
バトル時以外のパラメータ（知識や根気）を高める為の手段や過程に調整が入った他、シャッフルタイムの仕様変更やスキルカードの追加等システムを簡略化せずに快適さが向上されている点も好印象。
あとvita本体のボタンを痛めたくなかったので、魚釣りが連打ゲームじゃなくなったのは地味だが嬉しい。

〇難易度
難易度はゲームスタート時に５段階から選択できる為ユーザーの間口は広い。
HARDよりさらに高難度のRISKYも追加された。

BAD/REQUEST

×快適さ
特定の条件を満たさなかった場合の特定の期間の空白期間。
プレイヤーの進行次第ではある時期にある条件を満たさなかった場合、一時めぼしい探索イベントが起こらない期間がある。
但し、イベントを発生させる条件自体は厳しいものではない。そのイベントが発生しなくてもゲーム内の時間は進んでいきストーリーは進行する。

戦闘面では、ペルソナ合体・シャッフルタイムの改善、スキルカードの追加で、ＰＳ２版から快適さが大幅に向上したが（これ自体は評価点。）結果的にペルソナの強化・敵の討伐・レベル上げの労力が緩和されており、クエストをこなす等、進行以外の目的でダンジョンを探索していたりすると意図せずレベルが上がり過ぎることがある。
戦闘を支援するサポート役のキャラクターの能力もプレイ次第ではＰＳ２版より遥かに強化されることになり、このような理由からプレイの仕方次第ではストーリーが進行すればするほど戦闘がヌルくなる傾向がある。（一周目難易度HARDでの印象。）

また、vitaの通信機能を利用した「救援要請」は、発売から時間が経った場合、使用のメリットが薄れる可能性があるが、「救援要請」の使用の有無で、特に序盤攻略の難度が大きく変わる点は少し残念。ＰＳ２版にはなかった機能と割り切ることもできるかもしれないが、助けを呼んだのに誰も助けてくれないのが続いたらちょっと寂しいかもしれない。

COMMENT

多少の不満点は軽く吹き飛ばす作り込みで、この作品の為に高価なvitaを購入して良かったなと思える納得の出来でした。

主人公が高校生なのもあって青春もの特有のクサさはありますが、人の心の裏側といったダーティな部分もテーマのひとつとして織り込まれてます。
ＲＰＧ＝ファンタジーという価値観を持っている人にも良い意味で価値観を変えるきっかけになる、かもしれません。

プレイヤーが主人公と共に考えをめぐらせながら事件の謎を追う形ですが、高度な推理や謎解きは基本的に必要としない為、メインの軸が推理謎解きゲームという認識でのプレイは厳しいかもしれません。
とはいえ、ゲーム内での時間が進むにつれ事件の謎が紐解かれていく過程は楽しめるようになっているので、ネット参照時等はシナリオ面のネタバレに要注意です。
また、やり直しが聞かない部分もあるので複数のセーブデータ作成は推奨。

ゲーム本編以外にもクイズ・サウンド再生・ライブ映像・設定資料を一緒に詰め込む大盤振る舞いで、ゴールデンの名にふさわしいボリュームでした。本編とは関係ないですが江戸川先生の放送教室もとても楽しめました。

過去の作品を知っていることでニヤリとすることはありますが、過去のペルソナシリーズを未プレイでも物語を進めるうえで特に問題はないです。
VitaでＲＰＧをお探しの方にはおすすめしたいゲームです。