PS Vita mk2 - PS Vita の参加型レビューサイト

GOOD!

強いて言えば声優さんが豪華なところ。
原作やアニメで大好きなヒロインや主人公、ライバルや師匠たちの声がいろいろ聞けた。

BAD/REQUEST

ジャンルとしては紙芝居ギャルゲーに該当すると思いますが…
まず根本的に各ボリュームが極めて貧弱です。

＜グラフィック＞
総CG枚数が差分抜きで２４枚、差分込みでも３９枚しかありません。２０００円くらいの低価格ソフトならともかく、フルプライスのギャルゲーとしては「特に少ない」部類だと思います。
ヒロイン１人に付き、差分抜きで４枚、差分込みで７枚。
大抵のギャルゲーはこの２～３倍の枚数が用意されています。
クオリティも凡庸です。

＜音関係＞
フルボイスじゃありません。パートボイスです。
メインストーリーは基本的にフルボイスですが、ヒロイン個別のイベントはほとんどがパートボイスです。
パートボイス…、つまり「あら～、久しぶり。元気してた？」というセリフなら「あら～」だけ声が出て後は声無しな訳です。
ギャルゲーでその仕様はどうなんでしょうか。

＜シナリオ＞
はい、メインストーリーは一本道、分岐無し。
攻略ヒロインによってストーリーが大きく変わるなんて事はなく、誰を攻略しようがストーリーの９５％は同じです。セリフが所々変わる程度。
ヒロイン個別のイベントはどれも些細な日常的なイベントでドラマチックな物は無し。
些細な日常の積み重ねでも絆を深めることは出きるでしょうが、物量が不足してるんで…
ヒロイン個別イベントは全部足しても１人一時間あるかどうかってレベルです。


＜戦闘＞
ミニゲームレベルです。
敵の種類は少なく色変えモンスターばかり。
エフェクトもしょぼいし、必殺技に該当するコンビ技双星陰陽術を使ってもカットインのみでアニメなどは無し。
陰陽五行に基づいた属性の有利不利はありますが、無属性や万能属性の技がすぐに覚えられる上難度はかなり低く、さらに設定で難度を簡単に変えればごり押しでも簡単に勝ててしまいます。

COMMENT

原作漫画とアニメのファンなので買いました。

原作とアニメは、ケガレと呼ばれる怪物と戦う陰陽師である主人公に対して「ヒロインとの間に生まれる子供は史上最強の陰陽師になって世界を救う」という予言が下され、主人公とヒロイン２人で同棲生活を始める。当初は反発するも２年に渡る同棲生活と幾度も共に死線を超えたことで深い絆がうまれてきた、というような内容です。

で、ゲームは陰陽師組織のえらい人が、最強の陰陽師を生むのはヒロインではないかもしれないと言い出し、ヒロインとは別に新たに４人の女性が、主人公とヒロインが暮らす家で生活することになった、６人で同居生活を送りながら街で起こった異変の解決を目指す、というような内容です。


ぶっちゃければ低予算で作られた低クオリティなソフトです。

そもそも原作がギャルゲー化にむいていない作りです。
原作、アニメともに主人公に好意を持つヒロイン格はわずか２人しかいません。
だからこそ原作出身ヒロインよりもゲームオリジナルヒロインの方が多いなどというレアなつくりになっているわけですが。
で、原作においては主人公との恋愛面でメインヒロインがもう１人のヒロインを完全にちぎっており、アニメにいたってはもう１人のヒロインは主人公への思いを吹っ切って別の男性に好意をいだきつつあります。
正直、今更他の女に気を移されても困るという状態です。
制作サイドもそれは分かっているらしく、ゲームの最後で主人公とそれぞれのヒロインは１０日間一つ屋根の下で暮らしたという記憶を消されて、主人公とメインヒロインは元の２人での同棲生活にもどります。
原作とアニメが上記の状態なんでやむを得ない処置かもしれませんが茶番に見えるのは否めません。
ストーリーは一本道で個別イベントも大したものはないのでギャルゲーにする意味自体が乏しい。

基本的な物量の不足から考えても予算が非常に少なく、紙芝居ギャルゲーくらいしか作れなかったんでしょうね。
でも不向きな題材を無理矢理ギャルゲー化しても低予算と相まってロクな物にはならないでしょう。