PS Vita mk2 - PS Vita の参加型レビューサイト

GOOD!

　PSPで発売されたファンタシースターポータブルシリーズのみをオフ専でのみ遊んできた者の感想になります。今作もパーティープレイはしていません。

　このゲームの肝とも言えるギガンテス戦はビジュアル的に中々の大迫力、挙動や攻撃の派手さも含めて見栄えはし、それだけにその強敵を倒した時は独自の爽快感があります。まあ初回作だからなのか問題も多々あるのですがその件に関しては後ほど。

　レベルは本当にサクサク上がります。現在プレイタイムは80時間で4職の合計レベルが300以上、クエスト報酬の経験値をレベルカンスト職で受け取る事の無駄さに早く気付けばもっとレベルが上がっていたかもしれません。これまでのこのシリーズの様に経験値稼ぎの面倒さに嫌気がさして途中で投げ出すようなケースは多分少ないのではないでしょうか。勿論、経験値取得ブーストアイテムを使っていない状態での話です。

　PSO2の最大の魅力とも言われているキャラクリエイトを今作で初めて経験したのですが噂通り本当に凄かったです。HD据え置き機並のキャラクリエイトで作られたマイキャラが画面を動き回っているのを見た時は正直言って結構感動しました。この部分に関してはVita専用ゲームとしては間違いなく最高峰でしょう。

BAD/REQUEST

　ストーリーはぶっちゃけ評価に値しないというのが偽らざる感想です。単純に面白くないというか脚本の都合でキャラが動いているのが丸分かりで萎えるというか真面目に考察すればヒロインBとそれに入れ込むラスボスが最低の人間という事になり、そしてそれはシナリオそのものが茶番と化してしまう事に開発の方は気付かなかったんでしょうか？とにかくキャラエピソードはともかくとして全体のストーリーに関しては点数を付けられないレベルです。
　シナリオがこの様ですからBGMも耳に残らず、またそこで活躍している事になっている主人公や各キャラクター達への愛着も著しく低くなってしまいました。最高のキャラクリで遊べる最低のシナリオって一体どういう巡り合わせなんでしょうか。あと、シナリオ中に見せる主人公の手抜きなモーションに萎えます。どんな状況でも基本的には数パターンの大仰な動作を繰り返すだけ。主人公を主人公らしく見せる事に本当に何も気を使っていないんだなあと実感。


　ギガンテス戦の仕様を知った時にこの手の巨大な敵と戦う際に生じる各種の問題、視界の悪さや巨体ゆえの攻撃判定の尋常ならざる広さ、小さなキャラが大きなキャラに勝つというあり得なさを納得させられるだけのゲームバランスとシステムをどう作ってくるのかと色々想像していたのですが悪い想像だけ当たった感じです。
　巨大な敵に接近してその体に足場を作って戦えとの事ですがそもそもその足場からして作るそばからどんどん壊されます。そして苦労して体に張り付いたところで視界外から雨あられと飛んでくる遠距離攻撃や巨体を利用した特殊攻撃（ちなみに後半になればそれらに当たると即死）。無難に行くなら遠距離攻撃を使える職業で敵の挙動を見切りやすい距離から攻撃するしかありません。ヘイロウ、パイルと言った独自要素を使わない方が楽に勝てるというのは面白みに欠ける様な。
　後半になれば近距離職もギガンテスの攻撃に耐えられるだけの防御力が備わり、遠距離職にも負けない攻撃力を手に入れますが部位破壊の容易さに関しては遠距離職に一歩譲るのではと思います。共闘が出来る環境ならまた違った感想もあるのでしょうがぼっちな人間だとゲームバランス、システム共に未完成品の様に思えてしまいます。


　あと細かいところでは敵の骨格は大小含めてさして多くないのに色違いや細かいパーツの付け足しで水増しした結果、ドロップ素材がゲームの規模に見合わないレベルで多くなり必要な素材を探すのも一苦労です。一応ミッションの詳細に出現するエネミーは三体分記載されているのですがそこに表示されないのに出現するケースもあり一貫性がありません。
　さして印象に残らない敵ばかりなのに色違いが次々と出てきて（攻撃パターンに変化はなし）、そして妙に憶えにくい捻った名前ばかりなのも素材集めの面倒さに拍車を掛けているように感じました。例えばテッラマンデル、イーグマンデル、エレマンデル。この名前から敵の情報を読み取れるでしょうか。というか今思い出せない……。どんな敵だったっけ？

COMMENT

　11111体のエネミーを倒せばトロフィーコンプと言うところまで来たのでレビューを書いてみました。感想は一言で言うと微妙？中盤から連発される即死攻撃も慣れればステップ等で躱せる様になり、仮に死んだところで復活アイテムを5個まで持ち歩けるという大盤振る舞い、恐らくクリアできなくて詰まるという事は滅多にないのでは。一部で最高評価を求められるミッションもありますが常識の範疇の難易度だと思います。武器を作るために必要になるレア素材も数度挑めば手に入る緩いドロップ率、レアスキルの為のコア厳選に手を出してもそんなに時間を取られる事はなく、同シリーズのポータブル2インフィニティの様な廃人専用コンテンツでないところは個人的に大いに評価しています。
　ただシナリオがゲームをやる気を削るレベルで酷く、そして大味極まりない雑魚戦とそれに輪をかけて大味なギガンテス戦が何で自分はこれを遊んでいるんだろうって気にさせてくれます。ぶっちゃけこの素晴らしいキャラクリエイトがなければ多分途中でプレイ放棄していたんだろうなあ。

　あれこれ書き連ねましたが決して駄作ではありません。クリアできない程狂ったゲームバランスでもありません。ギガンテス戦もストレスに感じる部分は多いもののこれだけのデカブツを倒した瞬間は中々爽快です。恐らくはゲームとして致命的に練り込みが足らないのでは。思い付いた要素をそのまま何も考えずに実装したような作りと一言で言って面白くないシナリオといった短所が評価できる部分を軒並み覆い隠してしまっているのだと思います。